静岡第一クリニック

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セックスレスで閉経が早まる?

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 既婚女性は未婚女性よりも自然閉経を迎える時期が遅いことが少なくない。英・University College LondonのMegan Arnot氏らは、米国で実施している閉経移行期の女性を対象とした前向きコホート研究SWAN(Study of Women’s Health Across the Nation)のデータを解析。その結果、セックスレス(性的活動が月1回未満)の女性は、週1回以上のペースで性的活動を行う女性より閉経のリスクが高いことが明らかになったと、R Soc Open Sci2020; 7: 191020)に発表した。性的活動には、セックス、オーラルセックス、愛撫、マスターベーションが含まれる。

閉経移行期の女性約3,000例で2つの仮説を検証

これまでに、既婚女性は未婚または離婚した女性よりも自然閉経を迎える時期が遅いことが報告されている。その理由については明らかにされていないが、一説によると、女性は結婚して男性と同居することで、男性ホルモンに曝露する機会が増え、それが月経周期の安定化、ひいては自然閉経の遅れにつながるのではないかともいわれている。

そこでArnot氏らは今回、①性的活動の頻度が高い女性は閉経のリスクが低い②男性ホルモンへの曝露が閉経を遅らせる―という2つの仮説を立て、SWANのデータを用いて検証した。SWANは、更年期女性に生じるさまざまな変化に関する情報の収集を目的として、米国で実施されているコホート研究。

解析対象は、1996~97年にSWANに登録された女性2,936例で、登録時の平均年齢は45歳だった。全体の48%が非ヒスパニック系白人女性、75%が高等教育を受けていた。子供の数は平均2人、78%が夫または特定のパートナーを持ち、68%が夫またはパートナーと同居していた。過去6カ月間の性的活動に関する質問に対し、性的活動の頻度が週1回以上と回答した人は64%だった。

登録時に閉経している女性はいなかったが、2,936例のうち1,324例(45%)が平均52歳で自然閉経を迎えた。

性的活動が週1回以上で閉経リスクは28%低減

Arnot氏らはまず、第1の仮説を検証するため、対象を2007年まで追跡したデータを基に解析を行った。その結果、性的活動が週1回以上の女性では、月1回未満の女性に比べて閉経リスクが28%低かった〔ハザード比(HR)0.72、95%CI 0.62~0.83〕。また、月1~2回の女性でも、月1回未満の女性に比べて閉経リスクが19%低かった(同0.81、0.69~0.95)。

続いて同氏らは、第2の仮説を検証すべく、男性パートナーとの同居が閉経に及ぼす影響を検討した。しかし、男性との同居と閉経時期との関連は確認されなかった。

同氏らは「更年期は女性にとって避けられないものであり、閉経を回避する行動的介入は存在しない」とした上で、今回得られた知見から、「自然閉経のタイミングは、ある程度性的活動と関連しているかもしれない」と結論している。