静岡第一クリニック

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  4. テストステロンが女性の性欲回復に効果(メディカルトリビューンより抜粋)

オーストラリア・Monash UniversityのRakibul M. Islam氏らは、閉経後女性に対するテストステロン治療の性機能などの回復効果をシステマチックレビューとメタ解析で検討。その結果をLancet Diabetes Endocrinol 2019年7月25日オンライン版)に公表した。

性的不安を軽減し、自己イメージを改善

男性ホルモンの1つであるテストステロンは、女性の性的健康においても重要な役割を果たす。Islam氏らは、閉経後女性に対するテストステロン治療のベネフィットとリスクを評価するため、システマチックレビューとメタ解析を実施した。

MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Scienceから、テストステロン治療を12週間以上継続し1990年1月~18年12月に完了した盲検化ランダム化比較試験(RCT)を検索、36件のRCTに関する46報を抽出した。主要評価項目は、テストステロンが性機能および心血管代謝、認知機能、筋骨格系に及ぼす影響とした。

46報の対象は18~75歳の女性8,480例で、約95%が自然および外科的閉経例だった。解析の結果、プラセボまたは対照薬と比べてテストステロン治療は性機能の指標を有意に改善させた。

テストステロンの経口投与によりLDL-コレステロールの有意な上昇、総コレステロール、HDL-コレステロール、トリグリセライドの有意な減少が認められた。一方、経皮パッチ剤やクリーム剤などの非経口投与では、それらの臨床パラメータに有意な変化は認められなかった。

テストステロン治療により座瘡や発毛が増加したが、重大な副作用のために治療を中止した女性はほとんどいなかった。

脂質プロファイルへの影響を考え非経口投与を

以上の結果から、Islam氏らは「テストステロンは閉経後女性の性機能の回復に有効である。経口投与は脂質プロファイルに悪影響を及ぼす可能性があるため、パッチ剤やクリーム剤などの非経口投与が望ましい」と考察。さらに「現在、女性を適応として承認されたテストステロン製剤はない。今回、女性の性生活や個人的幸福へのベネフィットが示されたことから、女性を対象としたテストステロンの使用に関する新たなガイドラインと新薬が早急に必要だ」と述べている。