健康な登山家やトレッカーを対象に低酸素下で運動中に様々なテストを行った。試験は標高の低い場所と高い場所とで行われた。標高の高い場所とはエベレストのベースキャンプである。この人たちはバイアグラとプラセボを服用した。標高の低い場所ではバイアグラは運動中の動脈血酸素飽和度を有意に上昇させた。著者らは『バイアグラは安静時では低酸素性肺高血圧を低減させ、労作時ではガス交換と全身血圧を維持する』と結論づけた。
これは意義深い論文であり、スポーツ医学、高所医学、運動生理学など、あらゆる関連分野の人々が読んでおくべきである。
著者らは、正常酸素圧下でバイアグラの運動耐容能への効果を照査していないと慎重だが、そのような研究が実際に行われるのは遥か遠い先の事ではないだろう。
我々は近い将来、パフォーマンスを高める薬としてバイアグラがリスト入りするのを目の当たりにすることだろう。
‘医師ならば知っておくべき意外な事実’ メディカル・サイエンス・インターナショナルより抜粋