静岡第一クリニック

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タイミング療法中の男性が抱く排卵期の性交へのストレスを定量化

韓国の研究グループが報告,米国生殖医学会

 不妊カップルにとって排卵期は特に強いストレスを感じる時期であるが,韓国・CHA University泌尿器科不妊治療センターのSH Song氏らは,タイミング療法(TI)を受けている男性パートナーの性機能とストレスレベルを評価した結果,排卵期ではTIに関連したストレスレベルが有意に高く,性機能障害の発現率が高まることが明らかになったと第70回米国生殖医学会(ASRM2014;10月18~22日,ホノルル)で報告した。

男性の42%がEDに,ただしPDE-5阻害薬服用は6%弱

Song氏らは今回,1年以上の受胎努力の後,不妊治療あるいは妊孕性評価を求めて受診したカップルの男性パートナー236例に対し,面談と身体診察,精液検査,ホルモン検査を実施。性機能については国際勃起機能スコアを使用し,勃起不全(ED)治療薬の使用経験について尋ねた。また,排卵期におけるTIに関連したストレスレベルについて,10段階のビジュアルアナログスケールによる回答を得た。

その結果,排卵期と非排卵期におけるVASスコアには有意差が認められた(非排卵期2.1±2.2 vs 排卵期3.4±2.6,P<0.001)。EDの発現率は,軽症~中等症(IIEF-5スコア16点以下)が8.9%(21例),軽症(同17~21点)が42%(99例)に見られたが,排卵期にPED-5阻害薬を使用していたのは5.8%(12例)のみであった。

同氏らは「不妊カップルを診療する医療従事者は男性患者の問題を見逃さないよう留意すべき」と指摘。問題が見られる場合には適切な助言をするよう呼びかけた。

また,同氏らの研究について,男性生殖機能・泌尿器学会のPaul J. Turek会長は「男性は排卵期の性交が“予定”に組み込まれていると大きなプレッシャーを感じる。このストレスは不妊のストレスが加わることによって増幅され,妊娠の試みと失敗が毎月続くことで繰り返し失望感を味わうことになる」と説明。「不妊治療下でストレスを感じるのは正常な反応であり,EDの治療薬を服用することは間違っていないことを男性に伝え,安心させるべきである」とコメントした。