サプリメントの大半は心血管に効果なし
米疾病対策センター(CDC)の調査によると、米国人の52%が日常的にサプリメントを摂取しており、購入費用の総額は年間310億ドルに上るという。しかし、大半のサプリメントは寿命の延伸や心血管疾患の予防に結び付かないことが示された。
心血管リスク低下は減塩食
解析対象は、16種類のサプリメント(ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など)と8種類の食事法(減塩食、低脂肪食など)が全死亡または心血管アウトカムに及ぼす影響を検討したRCT 277件の計99万2,129例。
解析の結果、大半のサプリメントおよび食事法では、死亡または心血管リスクとの関連が認められなかった。
食事法に関しては、食塩摂取の減量により、正常血圧者の全死亡リスクが10%低下し、高血圧患者の心血管死リスクは33%低下した
Ca+ビタミンD複合サプリでは脳卒中リスク上昇
一方、カルシウム(Ca)+ビタミンD複合サプリメントの摂取では、脳卒中リスクが17%上昇した。Ca単独またはビタミンD単独のサプリメント摂取では、健康上のリスクもベネフィットも認められなかった。
以上の結果から、Khan氏は「大半のサプリメントや食事法では、死亡または心血管リスクに対して測定可能なレベルの有効性は認められない」と結論している。
研究責任者で米・Johns Hopkins UniversityのErin D. Michos氏は「大半の健康な成人は、サプリメントを摂取する必要がないというデータが増えつつある。心疾患の予防においては健康的な食事から栄養を摂取すべきである」と述べている。