2018年10月17日 5時02分
国際陸上競技連盟は、男性ホルモンの「テストステロン」の値が高い女子選手の出場資格を制限する新たな規定の運用を、来月から来年3月に延期すると発表しました。
男性ホルモンの「テストステロン」は筋肉増強など競技力向上につながるとして禁止薬物に指定されています。
その一方で、リオデジャネイロオリンピックの女子800メートルで金メダルを獲得した南アフリカのキャスター・セメンヤ選手など、先天的な病気などで「テストステロン」の値が高い女性もいます。
国際陸連はことし4月、テストステロンの値が高い女子選手について、ホルモン剤を服用するなどして値を抑えないかぎり、オリンピックなど国際大会ではレースへの出場を認めず、そのほかの大会でも世界記録の承認などを行わないとする新たな規定を来月から国際大会などで運用することにしていました。
これに対し、セメンヤ選手がCAS=スポーツ仲裁裁判所に対し、国際陸連の新たな規定は不当だとして運用の差し止めを求める申し立てを行い、CASの裁定が来年3月下旬に出る見込みのため、国際陸連は新たな規定の運用を来月から来年3月に延期すると発表しました。