テストステロンが多い人は毛深いというのは俗説ですが、テストステロンが減ると薄毛(進行性男性型脱毛症:AGA)になりやすいのは事実です。
AGAの直接の原因はテストステロンが5αリダクターゼという酵素で転換されたジヒドロテストステロン(DHT)。これが、毛根の細胞に作用し、生え変わりの周期であるヘアサイクルを短くします。結局、未熟で細く短い毛が増えるので頭髪は薄くなります。
このDHTが増えるのはテストステロンが減ったからです。
DHTはテストステロンの30倍もの活性がある物質。テストステロンが減るとそれを補おうと酵素で転換されるDHTが増える為、AGAが起こりやすくなります。
AGA治療薬のプロペシア(フィナステリド)はテストステロンからDHTを合成する酵素の働きをブロックします。その結果ヘアサイクルを正常化して太い頭髪を増やします。
また、DHTは前立腺にも働きかけて、前立腺肥大を起こします。前立腺肥大にもAGA同様にDHTを合成する酵素を阻害する薬が使われます。