静岡第一クリニック

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  4. 「性の健康」という概念

性的なオーガズムを得ることは健康という観点から有益なのかについて考えてみよう。セクシャル・ヘルスケアの専門家や科学調査、世界保健機関(WHO)によれば、答えはイエスだ。

WHOの定義では、「性の健康」という概念には「喜び」が含まれる。これは男性だけでなく、もちろん女性にとってもそうだ。国際連合やWHOのアドヴァイザーなどで構成される「Global Advisory Board for Sexual Health and Well Being」は、性の喜びを人権の一部とみなしている。

一方で、この分野では男性と女性との間に大きな開きがあることも明らかになっている。例えば、昨年に全米の異性婚の新婚夫婦1,683組を対象に行われた調査では、男性の87パーセントが性交によってオーガズムを得ているのに対し、女性ではこの割合は49パーセントにとどまった。

女性の性的快感を否定する考え方は社会に根強く残っており、女性が性交痛を訴えても、医者にまともに取り合ってもらえないことも多い。性交痛は治療が可能で、骨盤底筋群と呼ばれる筋肉に適切な処置を施し、膣の痙攣を抑えることで緩和することが可能だということを知らない婦人科医すらいるのだ。

また、影響は個人の生活レヴェルにとどまらず、科学の世界にまで及んでいる。クリトリスの解剖的構造が明らかになったのは、なんと1998年だ。研究者たちは、なぜ相当数の女性がセックスでオーガズムを感じられないのか、性交痛を訴える女性がこれほど多い原因は何かといったことについて、十分な研究が行われていないと指摘する。

WIRED japan 2019年1月15日版から抜粋