勃起障害(ED)治療においては、経口薬という利便性の高さから、ホスホジエステラーゼ5阻害薬(バイアグラ等)が第一選択となっている。
ED薬との併用、または単独でEDに効果を示す薬剤やサプリメントの登場が待ち望まれている。
順天堂大学浦安病院泌尿器科准教授の白井雅人氏、同教授の辻村晃氏らの研究グループは、ED患者に、あるサプリメントを併用した場合の効果を調べる予備的研究を実施した。
L-シトルリンとトランス型レスベラトロールに注目
今回の研究でEDに対する効果が検討されたサプリメントは、L-シトルリンとトランス型レスベラトロールの2つ。L-シトルリンはスイカに多く含まれるアミノ酸で、腎臓において、勃起のために不可欠な一酸化窒素(NO)の合成酵素の基質であるL-アルギニンに変換される。
レスベラトロールはブドウやワインに含まれるポリフェノールで、内皮型NO合成酵素の発現を増やすとともに、内皮依存性の血管弛緩を促進するサーチュイン遺伝子SIRT1を活性化して内皮機能改善に働くといわれている。
辻村氏らが糖尿病モデルラットを用いて行った実験において、ED薬とレスベラトロールの併用は、それぞれ単独で使用した場合よりも陰茎海綿体内圧/平均動脈圧比を改善することが示されている